中小企業事業承継円滑法(本年度10月より施行)による相続した自社株式の80%納税猶予制度の創設とともに、相続税の課税方式を現行の法定相続分課税方式から遺産取得課税方式に改めることが検討されています(現段階ではいつの相続より開始になるかは公表されておりません)。現行の法定相続分課税方式は、各人の課税価格を合計した相続財産総額をもとに、いったん法定相続分で相続税総額を算出後その総額を各相続人の実際の相続割合で按分して個々の負担額を決定するものです。遺産取得課税方式では個々の相続人が実際に相続した遺産に直接課税することになるため遺産分割の方法によっては相続税総額が大幅に変わるので、これを是正するため採用されたものです。
ではなぜ今遺産取得課税方式の導入が検討されているのかといいますと、現行の課税のままで自社株式に係る相続税の納税猶予制度を適用しますと、小規模宅地の特例同様事業承継相続人以外の相続人の相続税も軽減されてしまうことになるためです。
しかし遺産取得課税方式をそのまま適用するということは当然上記に述べた課税上の問題が発生することを意味しており、例えば法定相続人が兄と弟2人で、兄が全ての財産を相続した場合相続額が大幅に増えることになりかねません。よって、このような課税上の歪みを是正するため相続税の基礎控除の控除の仕方や額、及び相続税率も見直しが入る可能性が高いです。事業承継税制の抜本的改革により相続税も大幅に見直されることになるかもしれません。